2021年10月16日土曜日

FUZIX:z80packのカーネル初期化

 FUZIXカーネルの初期化の部分を見ていきます。

Kernel/platform-z80pack/fuzix.lnk に、カーネルがどのようなコードがリンクされてつくられるかが記述されています。

platform-z80pack/crt0.rel
platform-z80pack/commonmem.rel
platform-z80pack/z80pack.rel
platform-z80pack/main.rel
 :
 :
syscall_level2.rel
syscall_net.rel
select.rel
platform-z80pack/net_native.relか

カーネルの先頭はcrt0.rel で、対応するソースコードはcrt0.sです。中身を見ると、割り込みを禁止して、スタックポインタを設定しています。次にコールされているinit_earlyはz80pack,sにあり、メモリバンクのサイズとバンク数を設定します。

init:
        di
        ld sp, #kstack_top

        ; Configure memory map
        call init_early

次は共有メモリーの初期化です。"s_", "l_"で始まるシンボルは、アセンプラが.area で定義したセクションに対し作った開始アドレスとサイズを示すシンボルです。_COMMONMENセクションは、fuzix.lnk で開始アドレスが0xf400と定義されています。_DATAセクションはリロケートされるセクションなので、その時々で場所とサイズが変化します。最初のブロック転送で、_DATAセクションを_COMMONMEMセクションにコピーし、2番めのブロック転送で_COMMONMENセクションに続く領域に_DSICARDセクションをコピー。3番目のブロックコピーでは_DATAセクションを0クリアしています。

	; move the common memory where it belongs    
	ld hl, #s__DATA
	ld de, #s__COMMONMEM
	ld bc, #l__COMMONMEM
	ldir
	; and the discard
	ld de, #s__DISCARD
	ld bc, #l__DISCARD
	ldir
	; then zero the data area
	ld hl, #s__DATA
	ld de, #s__DATA + 1
	ld bc, #l__DATA - 1
	ld (hl), #0
	ldir

続いてz80pack.sにあるinit_hardwareをコールしています。この中では、RAMとカーネルサイズの設定、タイマーを100Hzに設定、割り込みベクターの設定を行います。そしてこれらの初期化を終えたあと、FUZIXのメインに飛びます。

        ; Hardware setup
        call init_hardware

        ; Call the C main routine
        call _fuzix_main

カーネルロードから初期化しカーネルに実行を移すところまで見てみましたが、意外とあさりした印象を受けます。ここまでなら、なんとなくZ280MBに移植でるような気がします。

0 件のコメント:

コメントを投稿